2016年9月30日金曜日

長期自転車旅行の困難性について

長期自転車旅行の困難性を表すと、「極端な困難性はないが、一定の困難性はある。その一定の困難性を乗り越えるとそれほど苦労はないが、乗り越えられないと悲惨な状態になる」になります。


この困難性への旅行者の状態を店主が勝手に大まかに分類し、区分けすると①初級チャレンジ②自転車旅行③上級チャレンジに分けられると思います。


以下、それぞれの解説と注意点です。


①の初級チャレンジは自転車旅行を始めたばかりで、完遂できるか不確かで不安に感じながらも挑戦心に溢れ、一定の困難性を克服しながら前進し、自転車旅行の醍醐味を存分に感じている時期だと思います。


これは特に若い人に自転車旅行を勧める代表的な自転車旅行の良さになりますが、注意点としてはこの一定の困難性を越えられるかどうかにあります。


この一定の困難性は近年のインターネットでの事前情報、自転車機材や道路の舗装化率向上等でそれ程高くなくなり、一定の体力、アウトドア能力、異文化対応能力等があれば比較的容易に超えられるようになりました※。しかし、一部の人にとっては超えられない場合があり、超えられない場合はかなりひどい状況に陥ってしまいます。


旅行全般に言えることですが、旅行だと生活の全てが移動状態に入ります。例えば部活動や受験勉強では生活は別途確保され、各課題に注力するだけで済みますが、旅行では生活を自分で維持しなければなりません。大抵は「なんとかなるだろう」と楽観視して出発しますが、上手くいかなければ生活自体が不安定になり、具体的には食事や睡眠が満足にとれない状態になります。


似たようなアウトドア活動の遠征登山だと、失敗、成功が比較的短期間で判明しますが、自転車旅行の場合、道を走っていくために人々の生活圏を通過します。そのため、上手く処理できてない状態でもそのままずるずると、なんとか続けられる場合が多いです。


そして、ずるずると食事や睡眠を満足に取れない状態が長く続くと、ちょうどブラック企業に勤めてるかのように疲労のため思考停止状態に近くなり、旅行をやめるべきかどうか、この旅行に意味はあるのかといったこと自体考えられなくなり、ただ移動する物体の様になり、肉体的にも精神的にもぼろぼろになります。


このような状態にならないためには自転車旅行に必要な旅の技術の各要素を把握する必要がありますが、不衛生に耐性があるか、異文化に対応できるか等、日本では十分に確認できない事柄もあり、それらは不確定要素になります。長くなりそうなので各要素の解説は次回のブログにします。


②の自転車旅行では①の初級チャレンジの一定の困難性を乗り越えた状態で、この先に事件事故等の不確定要素やアウトドア活動で自力走行の苦労はあるが、一般的なルートでの世界走破に困難性を感じず、単に移動手段が自転車になった旅行と感じられる状態です。


この状態になると、自転車旅行特有の一定の冒険性、挑戦性はあるものの、困難性云々ではなく「旅」として味わう割合が多くなり、初級チャレンジでは走破するだけで精一杯だったのが、余裕が出てきて興味の赴くまま、各人自分なりの自転車の旅を、予算や都合が許す限り楽しむことが可能です。


人によってはチャレンジするのが自転車旅行の楽しみとなれば次の③上級チャレンジへ移行しますが、①や③のチャレンジはどちらかと言うと体育会系で、②の旅は文化系・学術系の活動の要素が多くなるように感じます。


③の上級チャレンジでは主に標高差、無補給区間や未舗装区間の長さ、暑さ寒さが極端な場所での走破等、困難性への追求が目的になります。自転車の場合、基本的に道路やトレースをたどる事になり、自転車移動での困難性の追求は、自ずと限られた困難性になると思います。


困難性の追求で注意点としては治安が悪い国や地域へ入らないよう注意が必要です。治安が悪い国や地域で犯罪に巻き込まれないように目端を利かせたり、立ち居振る舞い、行動力で多少の違いは出るかもしれませんが、運まかせで、能力とは無関係の割合が大きく、そのような状況を自転車旅行の困難性やチャレンジとして意味があるのか疑問があります。


それと困難性の追求に意味が有るかどうか見極めるのは容易ではありませんが、全ての困難性がコントロールできる訳ではなく、泣きっ面に蜂の状況も多々あり、求道的な状況でなんらかの手段としていた困難性の追求が、困難性自体を目的として求めるようになった場合には注意が必要です。


以上が自転車旅行の困難性とそれに対する自転車旅行者の解説と注意点ですが、実際の自転車旅行では最初はチャレンジ要素が多い分①を抜けた時点で拍子抜けしたり自信に溢れたりしながら、自分なりの興味に沿った②の状態で自由に旅を続け、時々③の躍動感を織り交ぜて旅を楽しむのが一般的みたいです。
困難性が高く長期間かかる場合は手段が目的化しやすい。
そのような状況でも本来の目標を定期的に見直す事でおかしな間違いは防げる。
(撮影地 北極圏)


※昔(恐らく20年?以上前)は上記①②③の区分けはなく自転車旅行自体が大変なチャレンジであったと思います。



2016年9月27日火曜日

狂犬病 咬傷後ワクチン接種 体験記(カンボジア・ベトナム)

カンボジアで犬に咬まれ、その後、狂犬病ワクチンをカンボジアとベトナムを移動しながら5回接種しました。その時の体験を参考までに記しときます。


咬まれた場所はアンコールワットで有名なシェムリアップから約100km、プノンペン方向のStougという村、宿の飼い犬でした。


チェックインを済ませ、床に置いたバッグを取ろうとしたら二の腕を突然咬まれる。事前に得ていた知識ですぐに「流水と石鹸で傷口を洗い」、傷口は擦って血が出る程度でしたが「発病すれば100%の致死率」なのでワクチン接種をすることにしました。村の薬局?に行ったが狂犬病のワクチンは置いておらず、翌日、先の町で打つことにしました。

店主を咬んだ犬。
孕んでいるので神経質になっている、ようなことを宿の人は言ってました。
狂犬病にかかった犬は「約2週間以内に死ぬ」そうです。この犬は狂犬病にかかっているように見えませんでしたが、念のためワクチンを接種をすることにし、宿の人には2週間後犬が生きているか連絡して欲しいとメールを書いて渡しましたが返事はなく上手く伝わりませんでした。


第1回目接種(費用US$15)を翌日40km程行った町で英語が話せるベトナム人医師がいる個人?のクリニックみたいな場所で接種。狂犬病発症はこの辺りでは多いと話し、今後の接種間隔の説明も含め丁寧な対応をしてくれました。
1回目のベトナム人医師のワクチン接種回数の説明
2回目(US$20)はプノンペンにある日本人医師のケンクリニックで接種(仏製ワクチン)。
先生曰く、値段で判断するのもなんですが、と断りを入れながら無料や数ドルの狂犬病ワクチンは副作用の危険が全く無い訳ではないとのことで、10ドル前後以上であれば副作用はないとのことです。接種後の微熱はよくあることであまり気にする必要はない。4・5回目の接種日は1日ぐらい前後しても平気とのことでした。
第3回目(費用US$15)はベトナム国境手前の町のクリニックで。
4回目接種(費用US$9)はベトナムで、英語表記はSocial Prevention Centerで接種。
 保健衛生に関する啓蒙看板が立てられてる。

北進し5回目をSocial Prevention Centerで接種しようとしたが、

冷蔵庫から出て来たのが期限切れで箱がカビてボロッと分解する。
平気だと言われたが念のため断り次の町で接種することにする。
5回目(費用US$9)は戦跡があるケサン、大きい病院の裏手の建物で接種。
それなりに手間と費用(合計US$68)がかかりましたが、これはこれで興味深い体験と捉えてます。特にベトナムには接種を受けた場所以外にも多くのSocial Prevention Centerがあり、社会主義国だからか保健衛生に関してはよく整備されてる印象を受け、想定してたより難なく接種出来ました。


狂犬病ワクチンの日本での事前接種ですが、咬まれる可能性が高い訳ではなく、咬まれれば結局追加接種が必要になり、また、日本では値段が大分高く、期間も必要なこともあり、上記の手間を含めても日本で打つ必要はないのではと個人的には感じております。

2016年9月22日木曜日

自転車旅行走行中、犬襲来時の対処方法

店主が採用してきた犬の対処方法を参考までに紹介します。
この方法だと自転車を走らせながら行えるため、犬襲来の頻度が高い地域でも進行速度を落とさずに通過できます。
犬追っ払い棒をこの様にバンドに挿します。


右側方向から犬が来た場合は右手で棒を取ります。

抜き取ります。


犬の前で棒をひらひらさせます。
何十匹と犬を相手にしてきましたが、この棒の間合いより中に入ろうとする犬はいませんでした。時々棒を振り上げたりすると犬が速度を落としたり、遠ざかったりします。
縄張りから離れれば、それ以上犬は追ってこなくなります。

犬をやり過ごした後は、棒をひらりと持ち替えるか、太腿に当てスライドさせ、親指側の棒が少し出るようにします。


棒の先と親指を使いバッグとバンドの間に差し込みます。

先が入ったらそのまま押し込んで元の状態になります。
左側から犬が来た場合は同じ動作を左手で行います。
犬襲来時は大抵、慌てた状態で片手運転を行うため、転ばないよう注意が必要です。
車やバイクにも注意が必要です。


因みにバッグの固定ですが店主の場合は、ゴムバンドの後ろ2箇所は固定し前方1箇所はカラビナによる3点で固定してました。この方法だとバッグの脱着が少し早く行えます。
オルトリーブのラックパックとパニアの組み合わせだと既設のベルトで連結固定でき、状況によっては上記のゴムバンドは不要です。



今回使ったこのカラビナはスポークレンチにもなります。1,296円(税込み)

2016年9月18日日曜日

キューバ 今のうちに行っておきたい国

今のうちに行っておきたい国の一つにキューバがあります。かつて人類を二分した政治体制の一つ、社会主義体制を未だに堅持し、現在も米国による経済制裁が続き、島国と相まって独特の経済状況を作り出してる国です。


昨年は米国と国交を回復させ、米国内に経済制裁解除の反対が根強いので不透明なものの、今後、経済制裁が解除されれば大きく変わる可能性がある国です。
社会主義革命成就の国
革命広場から見える革命の英雄チェ・ゲバラとカミーロ・シエンフエゴス
独特の二重通貨制で店は少なく、物が限られる状態
社会主義体制と経済制裁により独特の経済状況になっており、一見に値する

気候としては1年中旅行可能ですが、バカンスシーズンの夏と、避寒の冬は込み合うため、春か秋(ハリケーンの動向要注意)がお勧めです。


代表的な道程はサンティアゴまでバスで移動し、ハバナまで自転車で戻ってくるルート。走行距離約930km、約2週間の旅程。このルート取りだと、東よりの貿易風が吹くため、特にマタンサスとハバナ間は追い風に恵まれます。

交通量は非常に少ないが、補修箇所が多くあり路面状況は悪い
元の路面が見えないほど補修が重なっている場所もある
宿泊は基本的に外国人指定の宿になり約2,000円前後、其の為、荷物は着替えの類のみになり軽装で旅行可能です。
カーサ・パルティクラル(民泊)、外国人指定の宿で一定の質を保っている。
道中の主要都市に有り部屋数は観光地以外1家1室が殆ど、一つ見つかれば満室でも他の家に連絡を取ってもらえ、場所も教えてくれる。追加で食事を頼む事もできる。
珍しい政治体制、経済状況のみならず、昔ながらの町並みや未だ走り続けてるクラシックカー、音楽や酒等魅力溢れる国を自転車で巡ってみてはいかがでしょうか。



2016年9月14日水曜日

サーリー ロングホールトラッカー 当店オリジナル完成車 フレーム価格改定に伴い値下げ!

サーリー ロングホールトラッカーの当店オリジナル完成車の価格を2017年価格改定に伴い値下げします。

改定価格は 151,000円(税別、ペダル別)です。
ディスクトラッカー仕様だと、 169,500円(税別、ペダル別)になります。
※2017年より価格改定しました。
ホイールは前に紹介した手組ホイールを採用しています。
タイヤはシュワルベのマラソンプラスです。
お勧め品!


2016年9月11日日曜日

細いワイヤーと南京錠で防犯対策

ホームセンターなどで売られている細いワイヤーと、小さい南京錠を使うと防犯に役立ちます。細いワイヤーはニッパーを使うと切断できますが、出来心での犯行は防げるので一定の防犯効果はあります。

オルトリーブのバックローラークラシックのバックルにワイヤーを回し、小さい南京錠でベッドと固定。このバッグの開閉はロール式なので開けようと思えば開けられるが一定の防犯効果はある。
その他の盗難対策にベッドに散らかした荷の中に貴重品を隠し、バッグの中には盗まれても構わない物を入れておく方法もあります。
(撮影地 タンザニア)
安宿によっては合鍵を使い居ない時に勝手に入るスタッフがいたり、ユースホステルの貴重品入れロッカーでも合鍵か何かで開けられ盗難が発生しています。鍵が掛かった室内やロッカーの中でも状況によってはこのワイヤーと南京錠を使い盗難対策をすることをお勧めします。
似た方法で買い物の際、長時間自転車を外に止める場合や、スーパーの周りの雰囲気が良くない場合でも、このようにワイヤーをバックルに絡め南京錠でロックしておくと一定の盗難対策になります。

その他に安宿のドアや窓に鍵がない場合でもうまくワイヤーを結ぶことで施錠でき、細いワイヤーと南京錠は色々な場面で防犯の役に立ちます。
ロックがない窓の取っ手にワイヤーを8の字状に絡め南京錠で施錠
(撮影地 スーダン)

2016年9月7日水曜日

自転車旅行時の貴重品の持ち運び方法

貴重品の持ち運び方法ですが一応店主のやりかたを紹介します。これが一番安全だとは思いませんが参考までに。


膝丈のカーゴパンツのポケット左側にクレジットカード2枚、USB、厚手のビニール袋に入れたパスポートを入れてました。これらは腹巻タイプの貴重品袋に入れ、身に着けたほうが安全性は高まり、他の自転車旅行者もそうしている人がいます。腹巻タイプの難点は暑くなるのと、定期的に洗う必要があるのと、中身を取り出すのに手間がかかり、そのため店主は使用しませんでした。ただし、安全性は高まります。


USBは写真と日記を撮った写真のデータバックアップの為で、これらのデータ類はUSBの他、パソコンやスマートフォン、オンラインストレージ、DVDに焼き日本へ郵送する等の複数のバックアップをとっておくと安心です。その中でUSBはオフラインでも手軽に、頻繁にコピーでき、持ち運びも容易なので治安が悪い場所ではこまめにコピーしポケットに入れておくといいかもしれません。


カーゴパンツの右側のポケットにはその日使う分だけの現地通貨を財布なしで入れてます。途上国だと現地の人達は財布を持たない傾向があるため、現地に溶け込み、物理的に盗みにくい財布を使わない方法は有効な盗難対策になると思います。


後ろポケットには現地通貨のまとまった金額を入れ、ドルやユーロのまとまった紙幣は靴下の中、内側のくるぶしの下側あたりに、ビニール袋に入れて持ち歩いてました。この方法を初めてやる人は、靴下が紙幣を保持できる長さ、強さを十分持っているか確認が必要です。


犯罪被害の分類として①命を落とす、障害が残る②取り戻せない記憶補助、記録用の写真や日記を失う③金で回復可能、解決可能なものを失うに分類できると思います。①は必ず避けなければならず、②については人により重要度の幅があると思いますが、上記のバックアップ等で対応可能だと思います。③については金で回復できる、解決できると割り切るのも一つの現実的克服方法だと思います。特に盗難に遭い意気消沈してる時などは自分への励ましの意も含めて。
ポケットに入れるUSBは小さくコネクターのキャップがちゃんと閉まるものがいい



2016年9月4日日曜日

ミャンマー 今のうちに行っておきたい国

今のうちに行っておきたい国の一つにミャンマーがあります。近年、軍事政権から民主化へ移行し経済発展の黎明期を迎えたと言える国。
「三十年前はバンコクとヤンゴンは同じだったのに、今のバンコクにはビルが林立している」とアウンサンスーチーさん。
昔の姿を留めていた国で今後の経済成長が確実視され、民主化を歩み始めた国の発展と変化を、初期段階から見ることができる又とない機会です。
仏教が盛んな国。高さ約100mのシュエダゴンパゴダを人民広場から


「建国の父」 アウンサン氏騎馬像

シーズンはモンスーンが明けた来月10月頃から冬にかけて。代表的なルートとしてヤンゴンから北北西へピィ経由で仏教3大遺跡の一つ、バガンへの道。約750km、約1週間の道のりです。
途中の町では宿(大体1,000円~2,000円)があるので特別に意図しなければキャンプ道具は不要かもしれません。しかし、全ての宿で外国人が泊まれるわけではないので注意が必要です。
近年では外国人に閉ざされていたタイやインドとの国境も通れるようになり何名かの自転車旅行者が通過してます。(国境情報・ビザ情報は変わり易いので要確認です)。
最近は洪水や地震に襲われたミャンマー
近々の混乱は収まったみたいなので観光地へは観光に行く事が復興にも貢献します


独特の風習も興味深い
頬にタナカを付けた食堂の女の子達
食事代は安く何皿か付いて100円~200円
特徴ある文化を持ち、「アジア最後のフロンティア」と呼ばれてる国、その独自性と経済発展の萌芽をその目で確かめてみてはいかがでしょうか。


※注 2013年バガンから南へ約70kmのKyaukpadaung、宿はあるが外国人は泊まれず
店主は粘れば許可されるだろうと思ったが、結局、外国人を取り扱う建物の玄関先でテント泊
バス代等は安いのでそれらでの移動等、場合よっては臨機応変な対応が必要になります